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2007/07/01(日) 09:24:49 [未分類]

「きつねのともだち」 続編、と言うか、番外編または特別編?
むしろきっと、くぉ太編。


「きつねのおもい」改め、「きつねのやくそく」



わたし くぉ太。 ほんとうは ニンゲン ちがう。
わたし きつね でも ニンゲンと くらしてる。

でもまだ やっぱり ニンゲン いまでも よくわからない。


くぉ太は今でも 姉のことを思い出します。
そうして、思い出しては夜空を見上げて泣くのです。
大好きだった姉。
くぉ太よりずっと、賢くて、優しくて、強くて、化けるのも巧かった姉。
でも姉は死んでしまいました。
ママは泣いていました。
あれほどニンゲンには気をつけなさい、近寄ってはダメよとママに言われていたのに
ニンゲンのてっぽうで撃たれて 死んでしまいました。
だからママは、くぉ太に言いました。
絶対にニンゲンに近寄ってはダメ。ニンゲンを見たら、必ず逃げなさい。と・・・
そんなママもまた、数年後てっぽうで撃たれてしまって もういません。
くぉ太は独りぼっちになってしまいました。

くぉ太には良く分かりませんでした。
大好きだった姉とママを奪ったニンゲンを憎む気持ちもありました。
なにより、くぉ太はニンゲンがとても恐ろしいものだと感じていました。
でも姉は言っていたのです。
「ニンゲンにもね、優しい人はいるんだよ。」
「お母さんには内緒だよ。私ね、ニンゲンと仲良くなれたの。」
「一緒に遊んでくれるし。それにね、一緒にいると・・・うまく言えないけど、
なんだかとっても幸せで、からだいっぱい楽しくて、泣きそうになるくらい、嬉しいの。」
「いつか くぉも、上手に化けられるようになったら 会わせてあげたいな。」
そう言っては、いつも優しく くぉ太のほっぺをなめてくれるのでした。
そうして、決まってその後、姉はニンゲンの世界で見聞きしてきたことを話してくれるのです。
大きな建物や、不思議な機械や、ビックリするほどおいしい食べ物の話、
そんな話を目を輝かせて聞きながら、くぉ太は同時にそんな姉が羨ましく、誇らしくありました。

だから 本当は、くぉ太もニンゲンの世界に行ってみたかったのです。
ママの目を盗んで、いっぱい化ける練習もしました。
ニンゲンの言葉もたくさん勉強しました。
いつか姉と一緒に、ニンゲンの子供と遊ぶ自分を夢見ていました。

でもある日、姉はパパと一緒に泉の涌き水を飲みに出かけて人間に撃たれたのです。
一緒にいた狸のリックおじさんの話では、山狩りに出くわして
咄嗟にニンゲンに化けてやり過ごそうとしたら、姉は緊張のあまり巧く化けられず
しっぽを残してしまって見つかったのだそうです。
パパは姉を守ってニンゲンに飛び掛っていったとリックおじさんは言っていました。
でも二人とも 撃たれてしまって、自分も足を撃たれながら、命からがら姉を背負って逃げてきたと言いました。
ママにそのことを話したリックおじさんは、泣きながら
「俺が臆病だったばかりに、旦那さんを守ってやれなかった。
いや、守るどころか、俺は一目散に逃げ出していたんだ。情けない。」
何度も何度もママとくぉ太に頭を下げていました。
「・・・リックおじさんは・・・悪くない・・・よ?」
意識を取り戻した姉が、か細い声で言いました。
「私が・・・うまく・・・化けられなかった・・・から。
・・・ごめん・・・ね?お母さん・・・おじさん。・・・私・・・馬鹿だ・・・ね。」
傷口からは まだ血が流れつづけていました。
ママとおじさんは、姉の傷口を塞いでから 寝床に寝かせ
山に良く効く薬草が生えているからと、走っていきました。
くぉ太はどうすることも出来ず、ひたすら姉のそばについて たどたどしく看病を続けていました。

「ねぇ・・・くぉ。」
姉がまた目を覚ましました。
寝てなきゃだめだよとくぉ太は言ったのですが、姉は聞きませんでした。
「秘密の箱から・・・紙とペンを持ってきて欲しいの」
大人達には内緒の 二人だけの秘密。とある木の節穴の中に、姉はニンゲンから貰ったモノや、ニンゲンの世界から持ちかえったいろんな物を 箱に入れて大切にしまっていました。
二人だけの宝物。いつか二人で、ニンゲンと仲良くなって使おうねって決めていた宝物。
くぉ太にはそれらの使い道が殆どわかりませんでしたが、紙とペンのことならわかります。
まだ くぉ太にはニンゲンの文字は読めませんが、姉におとなしく寝ていて欲しかったので
ちゃんと寝ててねって強く念を押して、言われたとおりに紙とペンを持ってきました。
寝床に戻ったくぉ太は驚きました。
だって姉はニンゲンに化けていたんですもの。
変化の術はとっても体力を使うのです。
お願い、そんなことしたら本当に死んじゃうよ。
今、ママとおじさんが薬草とってきてくれるから。お願いだから寝ててよ。
泣きじゃくりながら、くぉ太は懇願しました。
そんなくぉ太を見て、姉は力なく微笑むと、青白い顔をしたままゆっくり起き出して くぉ太を抱きしめました。
「ごめんね・・・くぉ。でも・・約束、したの。だから・・・」
そっとくぉ太の手から紙とペンを抜き取ると、姉は紙に一言二言、何かを書いて狐の姿に戻りました。
いいえ、正しくは 力尽きて倒れてしまったのです。
「これ・・・ニンゲンの子達に・・・渡して、あげて・・・ね?。
約束・・・守れなくて・・・ごめんねって・・・私が・・・言ってた・・・って・・・」
くぉ太はずっと泣いていました。
姉は優しく くぉ太の手を取って 微笑みました。
本当はからだ中 ものすごく痛いはずなのに。苦しいはずなのに。
「約束、だったから・・・。だから・・・これは、私とくぉとの・・・約束、だよ?」



結局、姉は助かりませんでした。
そして、くぉ太がニンゲンの世界に行ってみようと思う理由も変わり始めました。
どうしてそこまでニンゲンとの約束を姉は大事にしているのだろう?
姉から預かった手紙の文面は、まだくぉ太には読めません。
でも、あれからいっぱい変化の練習もしました。
ニンゲンの言葉も少し話せるようになりました。
まだやっぱりニンゲンは怖くてたまらないけど、
姉との約束を少しでも早く守りたかったのです。
もう5年も経っていました。
約束の場所。
ニンゲンの子達は来てくれるのでしょうか?
くぉ太は勇気を振り絞って、その場所へと向かうのでした。



── 本編に続く。

── そしてもしかしたら、第2話に続く?かもしれません。
そんなわけでこんにちわ。編成の都合上追記でご挨拶、例の狐です。
なんでしょうねこれは。

くぉ太の視点から 劇中で触れられなかった部分を掘り下げてみたつもりです。
冒頭のモノローグは 第2話以降への前フリですが
続きを書くかどうかは 反響と天人さんのやる気次第です。

まあなんというか、バーさんとショコラへのリスペクトみたいな?。

どっちかというと、バーさんの小説版ではなく
ショコラVer.の補足みたいな感じですがね。
でもあの小説も好きです。



ちなみに。
劇の設定を重視したため、
「ともだち」という言葉を本文中で使えなかったことが
めっちゃ大変でした。
2話以降があれば前面に押し出して生きたいテーマなんですがね。

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全くぉ太が思い出して泣いた

全リックおじさんも泣いた

1人の名無しがレベルの違いを思い知らされて泣いた

「わかりやすさでいこう」と思った瞬間から
姉であるネイノーの心理描写を一切合切大幅カット、
3倍位あった文章量もごっそり削って
シンプルにまとめてしまいました。

ネイノーがしっぽを隠せず見つかる場面で
劇中のトラウマがよみがえったりとか
くぉ太に「ともだち」のことを話す部分とか
もしかしたらその部分だけで1本お話が書けたかも知れません。


まあ、機会があればどこかで形にしてみるのもいいかな、と
軽い気持ちで考えてはいます。

なんとなくですが、タイトルを変えてみました。
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むやみやたらにアンチテーゼを唱えるのはお奨めしませんが
作品にこめるという そのやり口は素敵です。

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